私を走らせるもの vol.4 東北編(1)
思い出の風景、季節の味覚、そして本や映画、音楽などなど、あなたを旅へと誘うものは何ですか? あの頃見た光景が忘れられなくて…。小説に出てきた風景を自分の目で見たくて…。この曲を聴くと無性に旅に出...
> ツーリング前に知っておきたい!「あの映画・小説はココで生まれた」vol.15
漫画やアニメ、映画やドラマ、小説、歴史的事件などの舞台を旅する「聖地巡礼」がメジャーになってきた昨今。物語の舞台になった場所は日本中にたくさんありますが、案外、そのことを知らずにツーリングで訪れて満足していることも多いものです。
せっかく行くなら、その土地にちなんだ作品を鑑賞したり、歴史を知ったりしたうえで行ったほうが、何倍も楽しめますよね!そんな作品や歴史、土地について、ツーリングマップル各著者から紹介していもらいます!気になった作品を見て、その場所を訪れてみましょう!
『おくのほそ道』は、日本人の書いた紀行文の中では最高傑作だと
東京からみちのくを旅して、日本海側を南下、
『おくのほそ道』の出発点は、東京・深川の森下。小名木川にかか
すぐ近くの隅田川河畔の「芭蕉庵史跡庭園」には、芭蕉の坐像が建
万年橋は葛飾北斎の『富嶽三十六景』にも描かれているが、実はそ
万年橋から直線距離で500メートルほど、仙台堀川にかかる海辺
深川から船で千住に渡った芭蕉は奥州街道を北へ。草加、越谷と通
奥州街道(現在の国道294号)の白坂宿から白河関跡に行き、古
福島県白河市の白河関跡には芭蕉の記念碑が建っている。そこには
「心もとなき日数を重ねるままに、白河の関にかかりて旅心定まり
(訳:ここまで、なんとなく不安な気持ちのまま来たが、白河の関
当時、白河を越えてみちのくを旅するのはまさに難行苦行。芭蕉は
芭蕉は白河の関を越えて、「さー、みちのくを旅しよう!」と、心
矢吹→須賀川→郡山→二本松→福島→白石→岩沼と通って仙台へ。
『おくのほそ道』の「奥州編」では、平泉が一番北になる。
その後、一関から岩出山まで南下し、鳴子温泉へと進む。
芭蕉はきっと温泉が好きだったのに違いない。那須では那須湯本温
『おくのほそ道』の「羽州編」の始まりだ。
芭蕉は奥羽国境の中山峠上の堺田から山刀伐峠を越えて尾花沢に下
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尿前の関
南部道遥かに見やりて、岩手の里に泊まる。小黒崎・みづの小島を
蚤虱馬の尿する枕もと
あるじのいわく、これより出羽の国に大山を隔てて、道定かならざ
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芭蕉は山刀伐峠(なたぎりとうげ)を下った尾花沢には10泊する
羽州編の一番北は象潟だ。
当時の象潟は文字通りの潟。松島に負けず劣らずの絶景の地だった
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南に鳥海、天をささへ、その影映りて江にあり。西はむやむやの関
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象潟を描いたこの一文は『おくのほそ道』のクライマックスシーン
その象潟も1804年(文化元年)の大地震で隆起し、潟は消えた
芭蕉はもっともっと東北の旅をつづけたかったのに違いないとぼく
酒田からは急ぎ足で日本海を南下し、越後路を通り抜け、北陸路の
芭蕉は大垣からさらに、伊勢神宮の式年遷宮を参拝するために伊勢
芭蕉の生まれ故郷は伊賀・