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ツーリング前に知っておきたい!「あの映画・小説はココで生まれた」vol.6

ツーリング前に知っておきたい!「あの映画・小説はココで生まれた」vol.6

by touring_m@pp1e

更新日:2019年12月16日

漫画やアニメ、映画やドラマ、小説、歴史的事件などの舞台を旅する「聖地巡礼」がメジャーになってきた昨今。物語の舞台になった場所は日本中にたくさんありますが、案外、そのことを知らずにツーリングで訪れて満足していることも多いものです。
せっかく行くなら、その土地にちなんだ作品を鑑賞してから行ったほうが、絶対に楽しめますよね!そんな作品と土地について、『関西』担当著者の滝野沢優子さんから紹介していもらいます!気になった作品を見て、その場所を訪れてみましょう!

第6回 ドラマ「スカーレット」(2019)の舞台=滋賀県 信楽町(甲賀市)

現在、NHKで放映中の朝ドラ「スカーレット」の舞台は滋賀県信楽町。信楽といえば、誰もが知る焼き物の郷。瀬戸焼(愛知県瀬戸市)、常滑焼(愛知県常滑市)、越前焼(福井県越前町)、丹波立杭焼(兵庫県丹波篠山市)、備前焼(岡山県備前市)とともに、日本六古窯のひとつに挙げられる古い歴史を持っています。

「スカーレット」は、女性陶芸家の草分け・神山清子の半生を参考に製作されたオリジナルドラマです。戦後間もない昭和22年、大阪から主人公・喜美子と家族が信楽へ移住するところから物語がスタートします。

男女差別の激しかった時代、貧しい環境の中で男ばかりの陶芸の世界で奮闘する様子が描かれています。12月初め現在は、信楽初の女性絵付師として注目され始めたところです。ちなみに、「スカーレット」は日本語で「緋色」。燃え滾る炎の色で、黄色味のあるやや明るめの赤色のことです。焼き物に付き物の炎が、このドラマの演出効果に一役買っているように思います。

ところで、「信楽焼」といえば狸の置物が有名ですよね。ちょっと首を傾げて菅笠を被り、徳利と通帳を持った立ち姿の狸で、やけに大きなキンタマをぶら下げているのがスタンダード。実際、信楽に行くとあっちにもこっちにも、大小たくさんの狸が並んでいます。定番もののほか、寝転がっていたり忍者姿だったり、いろんなバージョンがあって、狸めぐりだけでも楽しめます。

しかし、意外にもこの狸の歴史は明治初期からと新しく、昭和26年に天皇陛下が信楽へ巡幸された折、狸の焼き物をずらりと並べてもてなしたことで全国的に有名になりました。以後、狸=信楽焼との印象が強いわけですが、実は現在、狸の置物は信楽焼全体の3%に過ぎないそうです。

そんな信楽焼の里、甲賀市信楽町ではそこかしこで狸がお出迎えしてくれるほか、信楽焼のテーマパーク「陶芸の森」、ジャンボたぬきが並ぶ「たぬき村」など、信楽焼関連の施設がたくさんあります。もちろん、どこもオススメではありますが、信楽での私のイチオシは、「ミホミュージアム」。

大津市との市境近く、湖南アルプスの深い深い自然の中、広大な敷地の中にある私設美術館です。信楽焼とは何の関係もない「神慈秀明会」という宗教団体の施設ですが、怪しいオブジェもないし、成金趣味でもなく宗教色もまったくないので心配無用です。

ルーブル美術館にあるガラスのピラミッドで世界的に知られるイオ・ミン・ペイ氏が、「桃源郷」をイメージして設計した施設で、レセプション棟から美術館棟へ続く、500mのアプローチ道も、そのデザインの一環。しだれ桜の並木道からトンネルと、大きな吊り橋を渡って徒歩7~8分かかりますが、無料の電気自動車も有りますよ。

美術館棟は思ったよりもこじんまりして見えますが、環境保護のため建物の80%が地中に埋設されているそうで、外観に反して内部は広々と開放的です。

全面ガラス張りの明るく開放的なエントランスからは、深い森の中に浮かぶように宗教関連の施設が点在しているのが見えます。その様子は中米グアテマラのジャングルにあるマヤ遺跡、「ティカル」を彷彿とさせ、まるで自分が森の中にいるような、心地よい感覚になりました。

建物も素晴らしいのですが、特筆すべきはここのコレクションのすごさです!古代エジプトの神様やら、ガンダーラの仏像ほか、ギリシャ、ローマ、中国、日本などの国宝級の美術品がズラリ勢ぞろいしているんです。

収蔵2000点以上を誇り、私立美術館としては日本屈指の規模だそうで、常設展のほかに特別展も随時開催されています。洗練された展示デザインといい、効果的な照明といい、コレクションのレベルの高さといい、これだけの内容で、入館料1100円というのは、昨今の美術館事情を考えたら、かなり良心的な値段なのではないでしょうか。

また、ここのレストランも大人気。農薬や肥料を一切使用しない「秀明自然農法」で育てた食材を使ったメニューを提供していて、休日は行列もできるそうです。

2年前、ほとんど予備知識もなく初めて訪れたのですが、平日なのに大勢の見学客が来ていてびっくりしました。外国人グル―プも多く、ツアーバスも続々と到着していて、「こんな交通不便な山奥の、さして有名でもない(と、そのときは思ってました)美術館に、なんでこんなに人が来るんだろう?」と驚いたのでしたが、実際に行ってみて大いに納得しました。あとで調べてみると、ミシュランガイドで3つ星をもらったこともあるとか。そうだったんだ!

と、いうわけで、信楽に行くなら狸だけではなく、ぜひ「ミホミュージアム」も見学してみてくださいね!

 

関連リンク

■信楽町観光協会

■ミホミュージアム

筆者:touring_m@pp1e

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