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中四国ライダー 博田巌の「オフロードバイクライフ」vol.3

中四国ライダー 博田巌の「オフロードバイクライフ」vol.3

by touring_m@pp1e

更新日:2019年11月11日

「パリダカ」と言えば、多くの人が聞いたことがあるであろう世界的ラリーです(※時代により名称、レース地は異なる)。「ツーリングマップル中国・四国」を担当する博田巌さんは、そんなパリダカへをはじめ、国内外のオフロードレースで優勝・入賞経験が多数ある日本人でも有数のオフロードライダーです。
ツーリングマップルでは中国・四国エリアの担当者になる以前、全国の林道調査を行ったこともあります。そんな博田さんに、旅に興味を持った少年時代から、バイクに乗り始めた時期、オフロード走行の魅力などなどを語っていただきます。

第3回 オフロードの深みにはまる

 

1991年の秋のこと。

「夜の林道を走るイベントがあるけど出てみん?」

と友人に誘われた『SSERグループN』という大会。その当時、僕はまだロードレースの方に興味があったし、オフロードレースのことはよく知らなかったのだけど、

「なんだか面白そうだな」

と、軽い気持ちでエントリーした。

『SSER(四国スーパーエンデューロラリー)』は夏に2日間行われるラリーだった。人気の『グループN』は、その中でも入門編といった位置付け。

競技は、土曜日の午後に受付車検をして、薄暗くなった夕方にスタートする。コースに設置されたマークを頼りに、主に舗装路の移動区間と、『SS』と呼ばれる林道区間を走りつなぎ、またスタート地点に戻ってくるというスタイル。

公道を使うため、ルールでほとんど改造は出来ない。僕はタイヤ交換と補助灯を追加しただけのDT125Rで出場した。

ここで経験したのは、漆黒の闇夜を自分のバイクのライトだけで走り抜ける緊張感と、この先どこを走るのか分からない、未知へのワクワク感だった。

ただでさえ感じるその緊張とワクワクの中に、タイムアタックという競技性、それにパンク等のトラブルを想定し、ライディングを邪魔しない範囲で必要最低限の装備を吟味・準備しなければならない事前の戦略性という面白さが加わる。

さらに、レースを通じ、各地から集まったオフロードフリークたちとの出会いもあるわけで、到底普段のツーリングでは味わえない、オープンフィールドで行われるオフロードイベントの魅力に、僕はすっかりはまってしまった。

 

初めてのラリー『SSERグループN』を走り終えた後、興奮そのままに、次の年の、毎年GWに行われている『ツールドブルーアイランド』にエントリーしてしまった。

ツールドブルーアイランド、通称『TBI』は、ダカールラリー等、世界のラリーでほぼ共通して使用される、『コマ図』と呼ばれるルートブックを頼りに、自らナビゲーションしつつ、豊富な林道群を繋ぎながら、6日間かけて四国を1周するというものだ。

『コマ図』には、「距離」・「交差点での進行方向」・「ダート入口」などの目標物や、その他「道の特徴」などなどが描かれている。それらの限られた目印を頼りに進むのだが、地図でも写真でもないコマ図で走っていると

「次の図の先にはどんな風景が広がっているのだろう?」

というゲーム感覚に似た面白さが味わえる。

 

実際のコマ図① 左に積算距離(大文字)と区間距離(小文字)。真ん中に案内図。右側に補足情報が表示される

実際のコマ図②基本的にはほぼ世界共通の仕様だが、パリダカやモンゴルだとここに更にGPSポイントや、進む方向のCAP情報が追加される。

記号などの凡例

レース中はこのように設置。巻き取りながら進めていく。

 

また、移動中の宿泊はキャンプになるので、「旅」の要素もたっぷりだ。そんなわけで、ラリーという競技の面白さにますます見事に感化された。

また、そこに集うオフロードバイク好きな連中の元気さにも、圧倒され影響を受けた。

「来年オーストラリアンサファリに出場するよ」

「バハに行ってくる」

など、雑誌でしか見られない、自分とは違う世界だと思っていた海外ツーリングや海外レースなどを体験した、もしくはこれから体験しようという生の声と熱は、当時19歳だった僕にとって、かなり刺激的なもので、

「いつか自分も海外に出掛けて行きたい!」

と思わずにはいられなかった。

 

その後は、DT125RからCRM250、XR600へと乗り換えながら、『SSER』や『TBI』、広島や九州で開催される西日本の大会に次々と参加。腕を磨きつつ、「いつか海外に」という思いを膨らましていた。

 

1994年の12月、日本人で唯一の、モトクロス世界チャンピオンである渡辺明氏が主宰する「ベストテクスクール」にも参加した。自分達と同じバイクに乗って、なぜあんなにスムーズで安定してしかも速く走れるのか、とても不思議だった。

「いつか、あんな風に走ることが出来ればなあ」

という好奇心はずっと続いていて、実は今でも定期的に開催される「ベストテクスクール」には参加しているのだけど。

最近になって、ようやく少し理解が進んだかな、と思うようになってきたものの、未だに毎回楽しく新鮮な気持ちでバイクに乗れるのは、このスクールのおかげだと思う。

 

さて、いよいよ1995年、僕はモンゴルで開催される「第1回ラリーレイドモンゴル」に出場することになる。

 

(続く)

 

※当記事はツーリングマップル週刊メルマガにて2017年1月~2月に配信した記事を再編集したものです。

筆者:touring_m@pp1e

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